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国立本店に入居しました

最近地元の町に面白い場所を見つけました。
国立本店さん、本をきっかけにして町と人とつなぐ活動をしているお店です。ここには壁いっぱいの本棚があり、希望者は一区画を借りて紹介したい本を設置、お客さんは自由に閲覧できるというシステムになっています。「本の団地」という発想だそうです。

私も早速入居を希望して、昨日から「テネシー•ウィリアムズの部屋」という棚を設置させていただきました。他の棚を見ると、気になっていた本があったり、たまたま私と同じ本があっても文脈が違ったりと、話題のきっかけがたくさんありまして、お互いの頭の中にある大事な部分を見せ合うような感覚ですね。場所は国立駅(JR中央線)のそばで、営業は木曜から日曜の午後の時間帯です。お近くにお越しの際はぜひ寄ってみてください。


さて、私が設置した本を一部紹介させていただきます。
作品が生まれた背景や、テネシーの人物像に着目してみようというラインアップで、あえて「欲望〜」や「ガラス〜」などの人気作品は使わずに構成してみました。

「Tennessee Williams and the South」
  K. Holditch & R.F. Leavitt著 (MISSISSIPPI)

テネシーとアメリカ南部のつながりをまとめた資料集。写真資料が豊富で当時の雰囲気がつかみやすく、作家の幼少期のバイオグラフィーとして読めます。著者たちの南部びいきが過ぎて部分的に客観性に欠けるような気がするのはご愛嬌ということで(笑)。

「ぼくがイグアナだったこと」市川節子著 (南雲堂)

テネシーの長編戯曲のうち7作品を取り上げた解説書です。彼の経験や精神状態が作品に与えた影響を時間軸と共に理解できるのがこの本の素晴らしいところ。分析の視点も深く温かく、安心して身を任せられるテネシー世界のガイドブックです。

「ミシシッピの生活 上•下」マーク•トウェイン著/吉田映子訳 (彩流社)

トム•ソーヤやハックルベリー•フィンの小説で人気のマーク•トウェインが、ミシシッピ川を往来する蒸気船の水先案内人たちの生活や武勇伝を収集した随筆で、元新聞記者というのがうなずける渋い本です。テネシー作品にも多く登場する世界最長の川の存在感を想像する手がかりとして、セレクトしました。


他にも、初期の一幕劇集の本や、テネシー•ウィリアムズが好きだったはずのチェーホフ、ヘミングウェイ、三島由紀夫の文庫本を1冊ずつ、等のいたずらもしています。展示する本のセレクション自体、楽しい頭の体操でした。
by tnexpress | 2013-01-20 13:21 | テネシーの魅力


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