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遅めの新年会

先週末、12月の公演に参加したメンバーで新年会を開きました。
池ノ上にある馴染みのお店で11人、大きめのちゃぶ台ひとつ囲んで、きりたんぽ鍋です。
どこか親戚の集まりのようで、たった1ヶ月ぶりなのに懐かしい気持ちになりました。

お酒も進んで皆声が大きくなってきたころに、いつの間にか私の演出のはなしになっていました。
「けいとさんは待ち過ぎる。」
「優しい演出だよ」
「自信ないんじゃないすか」
「もっと直接、ずばっと言ってもいいのに」
「それは下品だよ、けいとさんは上品なのよ」
「こういう作品だよ、というのをもっと早く決めてさ、、、」
「そんなの一人で決められたら、それで終わっちゃって、面白くないじゃない」
「演出は、だいたい最後まで決めたくないもんなんだよ」

自分のお葬式をさまよう魂は、こういう感じで人の話を結構可笑しがっているかもしれません。私は口を挟む間もなく、少し照れながら聞いていました。自覚のあることも、ないこともありました。

慎重で、忍耐強いのは、もともとの性格ではあります。
しかし観察眼は鋭利らしく、何気ない発言で相手に向こう傷を追わせるとか、また若い時には自分と同じ熱意とかスピードを周りに要求したことでの失敗が結構多かったので、特に稽古場ではそうならないようにとても気をつけているのも確かです。一番反省するのは、「言い過ぎてしまった日」です。よほど時間がない時は別として、相手の聞く準備ができている時だけ言うようにしたいのです。

エリア•カザンが、「舞台上で演出から怒鳴られることに快感を覚える役者が多くて困る。」と書いていたのを読んで吹き出したことがありました。私が演者の時にはあまり言われるのが好きではないのですが、そういえば、逆の人の方が多いかもしれない。

ひとつ、うすうす気付いていることがあります。社会の動きが、ヒエラルキーとか分業で合目的的に仕事の効率を上げてきた時代から、マルチタレントの個々人が自由に結びついてコトを起こして行く時代に急速に動いている中で、「演出」とか「役者」とかで役割をくくってあるべき論を語っていてもダメだということです。

私は企画の言いだしっぺでありながら、翻訳もシーン作りもその他の表現効果も、参加者が全員で持ち寄って練り上げて行く作り方を目指したい。Tennessee Expressはワークショップ、作業場になりたいのです。これが、季節はずれですが年頭の目標です。

発表を終えて、宿題が残ったのは良いことです。また戻って作業を続けていいんだなと思えます。これからしばらくは人に会う時間を作り、作業場に戻るのは少しゆっくりめに3月頃を考えています。
今年もよろしくお願いします!
by tnexpress | 2012-02-05 01:02 | 道草


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