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カテゴリ:ワークショップ記録( 15 )

「ガラスの動物園」読書会終了

昨年12月に開始した「ガラスの動物園」読書会、今日が5回シリーズの最終日でした。国立本店の小さなスペースに毎回10名前後の参加者があり、2回、3回と通ってくださる方が増えたのも嬉しかったです。

今日はエンディングのシーンについて、試作品である"Pretty Trap"と本編を読み比べ、ジム、ローラ、アマンダそれぞれの立場や心境をひとしきり議論した後、最終パフォーマンスも仕上げました。「え、そんなの聞いてないっ」という顔をしていた方もいましたが、好きな役を聞きながら担当する短いシーンを全員に割り振ってしまえば皆さん楽しそうに練習に取り組みます。そして最後の10分、DJマーサさん選曲の音楽に後押しされるように7つのシーンが順番に読まれ、本日の「美しいガラスの動物園」が完成しました。あったかい瞬間でした。

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ところでトムが結局その後どうしたのか、疑問が残った方もいらしたようです。
「僕は月には行かず、かわりにもっと遠くへ行ったーー時間とともにその距離は遠のく一方だ。」
から始まる最後のスピーチがそれを語っています。窮屈さに我慢できずに家を出たものの、いつまでも家族の記憶が、とくに姉ローラへの思いが頭から離れない。それを言うトムの時間が「現在」であり、母、ローラ、ジムが登場するシーンはすべてトムの過去の「記憶」というのがこの劇の構造です。

「ローラ、ローラ、僕は君のことを忘れようとしたのに、やっぱりそんなことはできないんだよ。タバコをつかんで、通りを渡って、映画館やバーに駆け込んで、酒を頼んで、誰でもいいから近くの人に話しかける――、ただ君の面影を吹き消したいがために!」
「君のキャンドルの火を消して、頼むよローラ、そして、さようなら•••」

そしてローラの幻影がろうそくの火を吹き消して、幕が降りる。
ろくそくの炎のように、フツっとこのお芝居は終わってしまうわけです。胸かきむしられるような切なさを観客に残して。

どうでしょう、参加した皆さん、今一度最後のスピーチを味わってみてください。
by tnexpress | 2014-03-19 20:01 | ワークショップ記録

「ガラスの動物園」読書会 実施中です

1月22日(水)11:30から、国立本店にて「ガラスの動物園」の読書会の2回目を実施します。

前回はオープニングから3場面ほど読みました。作品の質(たち)なのでしょうか、参加者の10代の頃の生活がたくさん話題に登りました。この作品は、記憶のココを刺激するんだな、ということに妙に納得したといいましょうか。

今週も楽しみです。続けての方も、新しい方も、ご参加お待ちしております!

(尚今後の日程について、最初にお知らせした日程が一部変更となり、2/19の回が中止で、3/19を追加しています。下記が最新情報ですので、よろしくお願いします。)

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by tnexpress | 2014-01-21 09:45 | ワークショップ記録

ミュージシャンが来た日

 ショーの翌日は、1日予定を入れないようにしています。
前夜の余韻が残るうちに、ワークショップの経過で起きたこと、感じたことを整理するのに静かな時間が必要だからです。

 昨日は念願の、自宅での上演実験でした。古いお付き合いの先輩たち、初対面の方混合で総勢11名が参加。ミュージシャンが二人、一人からは写真をご提供いただき、台詞のリーディングに新しい要素を加えてみようという試みをしました。シーン構成は下記のように出来上がり。

<一幕>夕暮れのミシシッピ川、アーサーとハーサ、川と空の写真とともに。
<三幕一場>嵐の迫るガーデンパーティー、ヘヴンリィを取り合うディックとアーサー、やんちゃなギター添え。 
<三幕三場>ライラとアーサーからラスト(ロマンチック版)へ、ピアノとともにしっとりと。

これをいつも暮らしているリビンルームでやろうというのですから、国立本店の白い空間と比べて目と耳から入ってくる情報が格段に多い。それらを掌握できて、初めて読むお客様への気配りもできて、となるには役者たちにはもう少し度量が必要なようです。
しかし、「言葉」を扱う役者にとって、音楽には特に憧れがあって、生演奏で一緒にシーンを作っていただけるというのは至極の幸福なのです。それで昨日は皆わくわくし通しでした。

 ショーが終わった後は、待ってましたとばかりお酒をと食事で賑やかに、延々夜中まで。興に乗って、テネシーエクスプレスのメンバーは一昨年公演した"The Long Good-bye"の抜粋を読み、ギターの佐野さんにあの名曲を奏でていただくという場面もありました。あんなふうに、シーンをやっては飲む、やっては飲むという遊び、一晩中でも飽きません。


★参加した方より素敵なお写真いただいたので、珍しく掲載します。
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by tnexpress | 2013-06-30 12:04 | ワークショップ記録

Voice is life, life is beautiful.

 昨日の素敵な旅について。

 SPRING STORM のリーディングショー、2回目が開かれました。作品の見せ場のメニュー表から参加者の希望を聞きながら3つのグループを作り、そこにサポートパフォーマーが一人ずつ入ります。私たちもどこを読むことになるのかその場に行くまでわからないので、結構ドキドキしていますが、この試みの一番のポイントは、お客さんの欲望に身を任せるということ。ミュージシャンはリクエストに応えてさらっと一曲弾いてくれるのに、どうして演劇の人は自分たちの用意したものをダーっと見せて終わってしまうんだろう、というのが私の常々の疑問なのです。カーテンコールの時にアンコールがあったら、もう1、2シーンやってくれてもいいんじゃないかと。ですからライブのアンコール部分を取り出したのがこのリーディングショーという感じでしょうか。

 昨夜のショーは、ちょうど4人の主人公の恋愛関係がよく見られるシーン構成となり、参加者の声のリレーが心に響きました。
「退屈な田舎町を出てもっと広い世界を見たい」(ディック)と燃えるまっちゃんには若い日の野望を、恋人に泣かれて「夏には俺たち結婚しよう」(ディック)と言わされた加藤君には誠実さを、片思いの美女に「現代詩集のプレゼントだよ」(アーサー)と差し出すにたさんには恥じらいを、自分に思いを寄せるハーサに八つ当たりするアーサーを読むすやまさんには邪心を、乱暴にキスを奪われ覚醒するハーサに「君がそんなだとは思わなかった」(アーサー)とあとずさりするまーささんには狼狽を、観客は確実に感じ取ったと思います。役と本人がきれいに五分五分に重なって見えるのが不思議です。

 仙台から来てくださった下館先生(20年来の私の演劇のお師匠さん)からは、「皆さんの声の質に、人生が出ている。」というコメントをいただきました。"Voice is Life" だね、と。
本当にそうですね。そして、"Life is Beautiful" ですよ、"Each life is beautiful" と私は心の中で言ったのですが、そのくらい一人一人がキラキラしていました。

参加者の皆さん、パフォーマーの皆さん、ありがとうございます。とてもよい晩でした。
by tnexpress | 2013-06-09 10:23 | ワークショップ記録

4月20日のワークショップレポート

また楽しく新鮮な週末を送ることができました。
今年1〜3月に実施したSPRING STORMの本読みワークショップ(輪読形式)に来てくれていた方を中心に、参加者が希望の役を読むという追加イベントを実施したのです。
最初に少しだけ輪読をして物語の復習をした後、希望を募ると嬉しいことに、
アーサー、ハーサ、ヘヴンリィ、など複数の方から希望の役とやってみたいシーンが出てきました。そして声の素晴らしい初参加の紳士には、こちらからお父さんの役をリクエストし、合計5つのシーンのリーディングショーとなりました。

各シーンとも、参加者とテネシーエクスプレスの役者がペアを組む形にして、ある程度リズムをリードさせていただきながらの上演でしたが、まあなんと。
ひとつの役を通して読むのは初めてというみなさん方が、慎重に、繊細に、台詞や役に近づこうとする姿に私は胸を打たれてしまいました。もともとテネシー作品の登場人物は繊細で傷つきやすいキャラクターが多いので、初めて読むという戸惑いが、ある時役の心情と重なって見えたりします。また、読み手のプライベートを知っている観客は、役と本人の共通項が見えた時が特に面白かったようです。台詞がほぼ偶発的に命を授かる瞬間を、かすかに、しかし何度も感じることができました。

「真実は、偶然を媒介として、現象する」のだそうです。

もっとたくさんの真実と出会えるよう、ワークショップの方法も洗練させて行きたいと思っています。ご参加くださったみなさんへ感謝です。またお会いしましょう!
by tnexpress | 2013-04-22 00:38 | ワークショップ記録

お客様も作る

 3月16日は"SPRING STORM"本読み会6回シリーズの最終回、ぎゅうぎゅうの満員でした。この日はいつもの本読みに加えて、お客様にリクエストいただいたシーンとラストシーンについて、4名の役者でリーディングパフォーマンを行うという試みも実施しました。

 お店での公開ワークショップということで、たまたま開始時間に店にいたので参加して、そのままリピーターになってくださるというお客様が何人もいたのは嬉しかったです。そして、なんといっても脚本を読みながらのディスカッション、登場人物の分析や、個々人の経験談による肉付け含めて、参加した方が本当に積極的に脚本を理解する作業に参加してくださいました。こうやってじっくり読んで自分なりに想像力を鍛えてからパフォーマンスを見ると、一気に情景が立ち上がるという感想もいただきました。

 役者たちもたくさんのアイデアを皆さんからいただきました。自分で演じてみたいという方もいらしたので、次回はお客さんからやりたい役とシーンを自己申請してもらって、周りを役者たちが固めて即席でシーンを作ってしまおうという企画も持ち上がりました。これからもいろんなアイデア試して行きたいと思います。参加できる遊び、みんなで作るエンターテイメント、面白いですね。

 とにかくお客様にめぐまれた6回シリーズを終えて、今日は幸せな充実感で眠りにつけそうです。会場提供と企画運営を手伝ってくださった国立本店のみなさまへ、心から感謝です!
by tnexpress | 2013-03-17 01:02 | ワークショップ記録

本読み会@国立本店

 国立での本読み会、全6回中2回目を昨日実施しました。
 今回はテネシーも戯曲作品もほぼ初めてという参加者が多く、先入観のない反応がかえって作品の特徴を客観的に教えてくれるような気がします。私自身にとってもよい緊張感であり、1セッション終わると確実に腹ぺこです。

 使用している脚本は、私の翻訳版ではもともと87ページある原稿を、今回用に77ページ分に少しだけ省略し、それを6回に分けて連続ドラマのような感覚で読んでいます。私は時代背景の説明など少し加えることはありますが、物語の先の情報は一切差し上げません。参加者は純粋に脚本を音読しながら順番に情報を読み取っていきます。ページを開くごとに新しい情報が入ってくるワクワク感がありますから、よく知られた古典を読むのとはまた違う楽しさです。

 私は、テネシーが生きた時代がもう少し後だったら、テレビドラマの脚本家としてすごい活躍をしたのではないかと思うことがあります。演劇のように2時間で一気に鑑賞するにはもったいないようなたくさんのドラマが、各幕から2ページごとくらいにボコボコ発生するのです。各幕の最後には次回がどうなるのか気になってため息が出るという、この密度とリズム感に連続ドラマっぽい心地良さがあって、最終回が近づくと寂しくなってきて、終わらないでほしいなと思ったりするのではないか、と。登場人物の描写もそれぞれ立体的で深いため、主役脇役の別なくドラマを重層的に楽しめる仕掛けがふんだんで、現代で言えばスピンアウト企画のドラマがいくつもできてしまいそうな勢いがありますね。

 このワークショップの様子を、国立本店のfacebookにご掲載いただきました。関心ある方はお問い合わせください。(1/30の投稿です。)
国立本店FB

 引き続き、元気な参加者のみなさまとワークショップを楽しんでいきたいと思います。
by tnexpress | 2013-02-03 11:46 | ワークショップ記録

SPRING STORM Vol.1

 前回の日曜日から SPRING STORM という新作を読み始めました。テネシーの処女長編戯曲、1937年の作品です。参加は9名。楽しくて久しぶりに興奮し、家に戻ったら運動した後みたいに筋肉の温度が上がっていました。

 何が楽しいって、物語の展開や登場人物の情報を、皆でひとつひとつ発見していくことです。今回は全体を3回に分けて読む計画で、脚本はあえて毎回読む会の分だけ当日お渡しすることにしました。つまり予習なし、初見で読む。私は固有名詞や時代背景でわかりにくいところだけ解説を入れるようにして、あとは全員で輪読です。数頁読んだら感想を話し合い、つかんだ情報を確認して、次に進む。

 最初は慣れない感じもあったものの、設定や人物のイメージがわかってくると、皆さんの集中力は加速度的に上がり、比較的長い台詞回しから随所に飛び出す意外な展開に、笑ったり、驚いたり、ほっとしたり。

 自分のペースで没頭できる翻訳作業と、人と一緒に声を出して読む作業、どちらも違った楽しみがありますが、やっぱり皆で読むのはパワフルな体験です。次回が待ち遠しい!
by tnexpress | 2012-10-25 23:29 | ワークショップ記録

12月公演終了しました

THE LONG GOOD-BYEの4日間の公演がすべて終了しました。
ご来場いただいた皆様、参加•協力くださった皆様、どうもありがとうございました。

会場のギャラリーマキはマンションの一室を使ったスペースで、とある家族のリビングルームのみで展開する今回の物語がしっくりはまりました。観客も一緒に舞台上にいるような環境で、たくさんの方が作品を「体験した」という感想を述べてくださいました。また、家族の誰かを思い出した、自分のことを言われているようだ、という感想も多くありました。テネシーが描く人物たちに、国や時代を超えた人間の本質があることが少しでも伝わったのであれば嬉しいです。

制作過程も毎日が勉強でしたが、本番に入ってからもさらにそうで、特に親しい方からの率直な感想からわかったことは、
•演出で注力した点はよく伝わり、
•考えて取捨選択したことは賛否両論別れ、
•無意識だった点は、不足を指摘される、
ということです。ここまでよく見えてしまうというのは、怖いとともに、身が引き締まります。今後作品を作る度に深い目配りができるようになりたいと思います。

公演が終わって少したって、あるメンバーからメッセージが届きました。
「終わってホッとしていますが、なんだか寂しい。心にポッカリ穴が空いたようです。」
初心を思い出します。この感覚を一度味わうと、やめられなくなるのですよね。
参加者にも楽しんでもらえたプロジェクトだったことを、一歩遅れて実感した瞬間でした。

今回の公演は小さな一歩、地道に次の一歩を組み立ててまりいます。今後もご支援よろしくお願いします!

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by tnexpress | 2011-12-28 01:54 | ワークショップ記録

第2ラウンド

12月16日に幕を開けた "THE LONG GOOD-BYE"。
テムズ川のような隅田川のほとり、20名で満杯になる会場で、ひそかなデビューを果たしました。
演者と観客が近すぎて、もうどちらが見られているのかわからない状態です。そんな中で役者たちの集中力にも磨きがかかり、ここちよい親密度の中で作品を上演することができました。終演後にはほとんどの方が会場に残ってしばし語り合ってくださり、その反応の熱さにも何やら予想以上の手応えを感じました。テネシーの奥深さについての感想が多く、嬉しい限りです。
ご来場いただいた皆様、心よりありがとうございます。

さて、23日(金)、24日(土)は公演の第2ラウンドです。また、先週とは違う挑戦が待っています。
•••わくわくします。
by tnexpress | 2011-12-23 01:44 | ワークショップ記録