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芝居の敷居

 平日の昼間は仕事、夜と週末は芝居、という生活を20年近く続けていると、職場の人たちも半ばあきれて(笑)結構応援してくれます。公演があると言えば見にきてくれたり、面白い芝居がある時は観劇に誘ったり。

 しかし、「一緒に芝居やりましょう。」この誘いはかなりハードルが上がります。頼む方も、引き受ける方も。

 私にとってはいちばん好きな「遊び」が「芝居」なので、今度サッカーしましょう、キャンプに行きましょう、飲みましょう、それらと同じことなのですが、インドア系の趣味、特に芝居というのは奇異ですよね。
こちらにも誘いにくい要因があり、その最たるものは「時間がかかりすぎる」ことです。

 芝居の場合、伝統的なフォーマットとして作品の上演時間は約2時間。古典だと3時間。
毎日稽古する人たちでも1作品作るのに1ヶ月はかかるので、週末ベースだと半年くらいほしくなります。
半年間毎週末一緒に遊ぶ約束というのは、社会人にはよほどの覚悟が必要です。
もう少しライトにできないものか?という意識から、Tennessee Expressでは、ゲストにも参加を楽しんでもらえる作戦を考案しようと思っています。

   作戦その1) 短い作品を扱う、または大作であっも分割して取り組む。

   作戦その2) 日曜3回分程度の準備で発表できるプロセスにする。

   作戦その3) 台詞の暗記を義務としない。

 どうでしょう?やってみたい人は増えるでしょうか。

 日々たくさんのドラマや映画を鑑賞し、日常生活では誰しも上司や母や息子の役を演じているのですから、「演技」というのは実は案外身近にある世界です。英語では "Play" と言うとおり、もっと「遊び」として楽しんでみませんか。
by tnexpress | 2011-10-16 22:52 | 道草

戯曲の形式

 先日我が家に遊びに来てくださったご夫婦と、このワークショップの話題になりました。
元は建築関係のお仕事をされていたそうで、芝居作りのプロセスに建築との共通点を感じたようです。

 確かにそう思います。
脚本を設計図として、演出や舞台監督が、持ち場の異なる役者(大工さん、電気屋さん、左官屋さん、配管工、等等)にそれぞれ働いてもらって、最終的にはひとつの作品(建物)として同じタイミングで完成させる、といったところ。

 だんな様の方は少し役者業に関心を持っているようだったので、
「脚本見てみます?」ということで、手持ちの短編を2本印刷して差し上げました。

 脚本を見た奥様は、「原作はないんですか? せりふしか書いてないの?」とびっくり。物心ついたころから脚本と遊んでいた私には、目からウロコの落ちるような指摘でした。
「この言葉をどういう気持ちで言うのか、どうしてそう言うのか、そういうのも書いてあるのかと思った」そうです。

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 ほんとですね。まさに、その空白が役者の腕の見せ所なのです。
行間を読み取り、表現に起こす、そして共演者との共同作業の積み重ね。
身体や思考は人それぞれなので、同じ脚本も演者が違えば様々な形に化学反応します。
それゆえ面白いし、また時間もかかる代物です。

 当たり前になっていたことの意味に気付かせてもらえる素朴な質問は、素晴らしいですね。
住み慣れた世界が、また新鮮に見えてきます。
by tnexpress | 2011-10-08 19:20 | 道草